- 御社についてお聞かせ下さい。
- りぼん薬局は、三宅島唯一の薬局として、2014年1月に開局した、薬剤師1名、事務スタッフ2名の小規模な薬局です。
もともと都内の調剤チェーンに勤務していたのですが、知人の誘いで、縁あって島の診療所で働くことになりました。そうこうしているうちに、島での生活がすっかり気に入ってしまいまして、この薬局をはじめました。
- 三宅島の医療環境についてお聞かせください。
- 三宅島には住民が2,600人いますが、他の離島や地方と同じく高齢化が進んでいて、慢性疾患の患者さんが多くいらっしゃいます。
島には村営の診療所がひとつしかありませんので、診療科目は「総合科」として、あらゆる怪我や病気に対応しています。当然、うちの薬局でも幅広い知識と対応が求められますし、診療所に派遣されるドクターは2年交代というのもあり、診療所とはできるかぎり密な連携に取り組んでいます。
ただ、診療所ですべてをまかなうことは難しくて、高度な医療が必要な場合は本土の病院にかかっていただきます。ちなみにオペが必要な場合はドクターヘリで搬送する体制が整っています。
- 島で唯一の薬局として、一般の薬局との違いは何でしょうか?
- 狭い島内ですから、当然、住民とは顔なじみです。世間で言われている地域密着や、医薬連携は当たり前で、患者さんの処方歴はすべて頭に入ってますし、来局が困難な患者さんにはお届けにも行きます。
あと特徴としては、処⽅が28⽇以上の⻑期処⽅が多いことが挙げられます。患者さんは本⼟の病院にかかる場合、移動はフェリーで⽚道6〜7時間かかりますから、通院回数を減らしたいのは当然です。
島の生活は朝が早いので、それに合わせて私も毎朝5時に起きて、予製をつくり、8時には店を開けています。60日分の一包化もざらにありますが、時間をかけてじっくり調剤をしています。まさに日の出とともに起き、日の入りとともに寝る生活ですね(笑)
- OTCや、生活雑貨なども販売されていらっしゃいますね。
- 島にはコンビニがありません。患者さんのご要望に応えていった結果、ひと通りの商品を揃えることになりました。調剤だけでなく、ドラッグストアとしても機能して、島民のライフラインになれたらと思っています。